環境省と農林水産省は2026年9月11日、「生態系被害防止外来種リスト」の2026年改訂版を公表しました。2015年の初版を、最新の侵入状況や被害の知見に基づいて見直したものです。行政だけでなく、企業、研究者、市民が対策を考えるための基礎資料として位置付けられています。
掲載は596種類、数字の意味に注意
概要資料によると、掲載数は429種類から596種類へ増えました。差は167種類です。ただし、科・属・種など掲載の単位がそろっていないため、資料では「種類」と数えています。また、新たな知見に基づく追加も含まれるので、この差をそのまま新しく日本へ侵入した生物の数と読むことはできません。
今回の見直しでは、国内由来の外来種なども追加されました。身近な観賞魚のヒメダカやキンギョも新たに掲載されています。リストを読む際は、名前や総数だけでなく、どの地域で、どのような影響が懸念されているのかに目を向けることが大切です。
「日本の生き物」でも移す先によって外来種に
環境省の解説では、外来種は人の活動によって、もともといなかった地域へ入ってきた生き物を指します。海外から来たものに限らず、国内の別の地域から持ち込まれた生物も含まれます。一方、自然の力で移動する渡り鳥などは、この意味での外来種には当たりません。
生態系への影響には、在来の生き物を食べることや、餌・生息場所を奪うことのほか、近縁の生物との交配による遺伝的な変化もあります。対策の基本として環境省が掲げるのが「入れない」「捨てない」「拡げない」の三原則です。飼育している生物を野外へ放さず、すでにいる外来種を別の場所へ広げない行動につながります。
リストを暮らしの判断に生かす
ここからは本メディアの視点です。今回の改訂は、見慣れた生き物と地域の自然との関係を考え直す機会になります。「よく見るから影響は小さい」「国内の生き物だから移しても大丈夫」と名前や印象だけで判断せず、地域の情報と照らし合わせて読むと、資料を暮らしの判断に生かしやすくなるでしょう。
家庭や学校で話し合うなら、飼っている生き物を最後まで世話する方法や、別の場所に放そうと思ったときに確認すべき情報を具体的に挙げてみるのも一案です。掲載数の増減をニュースとして追うだけでなく、自分たちが生き物を移動させる場面を振り返ることが、身近な学びになります。