環境省は2026年9月17日、第五次循環型社会形成推進基本計画の第1回点検結果を公表しました。資源を有効に使う取り組みはどこまで進んだのでしょうか。今回の発表では、最終処分量の削減が進む一方、出口側の循環利用率には伸び悩みが示されています。

2023年度の数値から見えること

発表によると、最終処分量は2000年度から2023年度までに約79%減少しました。一方、出口側の循環利用率は2013年度の46.1%をピークに横ばいから減少傾向で、2023年度は約43.6%でした。資源生産性は2023年度に約50.9万円/トンとなっています。

ここで注意したいのは、発表が2026年でも、これらの数値は2023年度の状況を示すことです。今回重点的に点検したのは、事業者の連携による資源循環と、地域の循環システムづくりでした。出典:環境省・第1回点検結果の発表

循環経済を国の戦略に据えた計画

第五次計画が閣議決定されたのは2024年8月2日です。環境省の説明では、循環経済への移行を国家戦略に位置付け、2030年度を目標年次としています。今回の点検結果の公表と、計画そのものの策定は別の出来事です。

計画が扱う範囲は、地域づくり、製品のライフサイクル全体での資源循環、廃棄物管理を支える基盤、国際的な資源循環などに及びます。気候変動や生物多様性、環境汚染への対応に加え、地域の活力や産業競争力といった課題も視野に入れています。出典:環境省・循環型社会形成推進基本計画

「減った量」と「循環した割合」を分けて読む

編集部が今回の発表から注目したいのは、指標によって変化の方向が異なる点です。最終処分量が減ったという一つの成果だけで、資源循環全体が十分に進んだと判断することはできません。反対に、一つの割合が伸びていないことだけで、すべての取り組みが無意味だったと結論づけるのも早計です。

環境ニュースの数字を見るときには、何を測る指標なのか、いつのデータなのか、何年と比較しているのかをセットで確かめたいところです。例えば今回の「約79%削減」は、前年からの変化を表す数字ではありません。比較する期間を読み落とすと、改善の速さを大きく見誤ってしまいます。

身近な分別や回収の取り組みを考える際も、集めた後にどう利用されるのかまで関心を向けることが、循環の仕組みを理解する入口になります。計画と点検結果を併せて読むと、目標と現在地の違いを追いやすくなります。

おすすめの記事